SOPP2014

SOPP――いまここから始まる潮流

第 10回目の「Symphony of Peace Prayers 世界平和交響曲 —宗教・宗派を超えて、共に世界の平和を祈る」開催レポートに先立って、ある言葉を紹介させていただきたい。それは今年のSOPPで、あ る宗教の代表者として祈りをリードしてくださった方から伺ったエピソード。その方は、他宗教の祈りをこんなふうに述懐された。

「今回の祈 りの中では、禅宗の祈りがひと際心に響き、もっとお話を聞いてみたいと思いました。じつは、私は若いころに禅をしていた時期があるのです。その時は坐禅を 組んでも自分の心のもやもやしたものを拭い去ることが出来ず、それで今の宗教に入った。その結果、現在に至るというわけです。私にはこちらが合っていたけ れど、しかし禅も素晴らしいし、どの宗教も素晴らしい。その方法が自分に合っているかどうかだけの違いだと、私は思います」。

地球には、日々目にしている風景からは思いもよらないような、さまざまな気候や風土、環境の地域があり、そこでは習慣の異なる人々が生を送っている。だからこそ、真摯に人生の意味を見出そうとする姿勢にもさまざまなタイプがある。
先の宗教家の方のお話のように、私たちはその違いを尊重しあえるはず――しかし、今の世界には数多くの宗教対立がある。

14_02
もともと宗教の根元にあるのは、平和のため、調和のため、そして自らを高め上げるための純粋な祈りであるのに、なぜ宗教は争いの歴史を辿ってしまったのだろう? 
その原因は争いの数だけ存在するのかもしれないが、人類がこれまでに見てきた宗教対立は、それぞれの宗教が目指していた道すじではなかった、それはほとんどの宗教において言えるのではないだろうか。

そ のような中、いま自分のいる地点から新しい歴史を始めるために、動き出された宗教家は世界中にたくさんおられる。そして5月18日にも、世界各地の教会や 寺院、また個人宅で……41ヵ国の90カ所以上で、宗教の壁を超えて平和を祈る行事に賛同された多くの方々が祈りの行事を開催していたのである。

その呼びかけの拠点となった富士聖地にも、8つの宗教のリーダーのもと、6000人もの人々が、本来の宗教の祈りをするために集まってきている。

歴史はすべての人の思いを吸収し、それによって歴史は膨らみ、形を変えながら、ある一つの方向へと着実に進んでいる。
しかし、 それは私たちが歴史の波にただ押し流される存在ではないということでもある。私たち一人一人が意識して立ち上がれば、いま各人が存在している地点から、新 しい(そして本来そうであるはずの)調和と平和の歴史の小さな渦が生まれる。一人一人の力は小さくても、結集すればそれは大きな力となり、勢いを増して潮 流となる。
そのことを意識する人々、平和に向けて働きかけたいと思う人々が一堂に会した時「Symphony of Peace Prayers 世界平和交響曲 —宗教・宗派を超えて、共に世界の平和を祈る」というセレモニーの幕は静かに上がった。

各宗教・宗派の祈り

14_01
円形の富士聖地野外会場の上空には、透き通った青空がどこまでも広がり、四方に見はるかす山脈の稜線は壮大な屏風絵のよう。野外会場を取り巻く194の国 旗は風に翻るたび豊かに彩りを変え、舞台のちょうど左奥には白雪を冠った富士山が凛と美しい偉容を見せている。そして会場を埋める参加者――それらは大き な舞台を思わせる。
これからどのような物語が繰り広げられるのであろう。青空のもとに広がる大地に座って、参加者は静かにセレモニーの開始を待っていた。

午前10時。静寂に包まれていた野外会場に、壮大な音楽が響き始める。セレモニーの幕開けを告げる、希望に満ちたシンフォニー。
始めに納谷智彦理事長がご挨拶の中で行事の趣旨を説明した。そしてその後、西園寺昌美会長が舞台に立ち、次のようなスピーチを行なった。

14_04,05
「世界を平和にしたい、人類を救済したいという真摯な志を持つ人々が、同一の時刻に、同一の目的に向かって祈りを捧げることは、極めて大きな影響をもたら します。そのような方が一人、二人、十人、百人……と増えることで、祈りの力はますます強力なものとなり、それによって、世界各地の至る所で、この祈りの ひびきをキャッチする人が現われ始めます。そして自らの神性に目覚める人数が、一人、二人、十人、百人……と相乗的に増えてゆき、地球が神性復活の光に包 まれてゆくのであります」。

そのスピーチの余韻が漂う会場に、次のプログラムのアナウンスが流れた。すると、舞台の右側から正装に身を包 んだ70余名の白光真宏会のメンバーが列をなして現われた。メンバーたちは舞台の前で歩を止めて会場に向き直ると、「呼吸法による人類即神也の印」を一斉 に組み始めた。印というのは仏像や菩薩像がとっている手の形で、十指の組み合わせや角度で働きが変わると言われている。さまざまな形を織りなしていた手の 動きがすっと止まり、寄せては返す波音にも似た呼吸音が遠のいた時、会場の静けさはさらに深まっていた。

14_06
そしてメインセレモニーである「各宗教・宗派の祈り」が始まり、8人の宗教家によって平和の祈りが披露された。
イスラム教スーフィズムの祈り、キリスト教カトリックの祈り、ユダヤ教の祈り、神道の祈り、仏教 禅・曹洞宗の祈り、シーク教の祈り、ヒンズー教の祈り、そして白光真宏会の祈り。
そ れぞれの宗教代表者は、祈りの前にその意味などをスピーチしてくださった。今まで知らなかったお話に耳を傾けるだけでも、イメージは古今東西を自在に巡 り、さまざまな世界の場面を旅しているかのよう。しかし、参加者はそれぞれの宗教の根底に流れるものが、あらゆる方法を取りながらもすべて内なる平和をも たらすものであることに気づく。
そしてリーダーの先導で一つ一つの祈りを体験する。ただただ純粋に平和を思う、その祈りの美しさに包まれ、参加者は一心に声に出して祈りつづけた。
14_03
14_07,08

世界各国の平和の祈り

来 賓紹介のあと、世界各国の国旗行進が始まった。勇壮な音楽の流れる中、総勢194の国旗が会場内5本の通路後方から舞台に向かって、参加者と参加者の間を 通りすぎてゆく。目の前を厳かに、続々と行き過ぎる国旗は壮観で、さまざまな色彩が舞台の下でみるみるうちに合流し、七色にゆらめく水面の波紋が広がって ゆくような景観を、参加者は一心に見つめている。
14_09
そして世界各国語による世界各国の平和の祈りが始まった。舞台の中心部で粛々と国旗が掲げられるタイミングに合わせ、参加者はテキストを見ながら各国の言 語で「○○国が平和でありますように」と祈り込んでゆく。さまざまなひびきを持ちながらも、込められたメッセージは一つである。多様な言語が織りなすシン フォニーの美しさ――心のこもった平和の祈りの最後は「May Peace Prevail on Earth」という包括的な祈りで閉じられた。

14_10
14_11
そして西園寺由佳会長代理が閉会のスピーチを行なった。

「このように多くの方々と共に祈りを捧げる瞬間、私たちは自分たちの中に多くのも のを受け取っているのです。それは私たち自身の中に平和が存在しているということ、愛そのものであるということ。私たちがお互いの中に作り合った隔たり が、すべて溶けてゆく瞬間です。宗教、国籍、年齢、肌の色の違いはそこにはもうなく、お互いがとてもいとおしく、尊く、大切な存在であるということ。各宗 教のリーダーのお話、お祈りくださった祈りの力、愛の力、それを体感する瞬間を得られているのだと思います。一人ではなかなかこういう瞬間を体験できない ものですが、世界中の人々と共に奏で合える喜びを感じております。
が、これはたった一日のイベントではないと思っております。一人では作れないこの体感を、皆様とともに一度でも体験したら、その祈りのひびきは私たちの中に生きつづける場、エネルギー、ひびきとなるのだと思います」。

そのスピーチが終わると、華やかな国旗の群れが再びステージに登場した。入場行進を巻き戻すかのように、枝分かれして参加者の間に流れ入ってゆく。そして最後にステージの奥からアースフラッグを掲げた旗手が現われた。
アースフラッグがゆっくりと旋回した後、すべての旗が同じ動作で一斉に天に向かって掲揚された。会場を包み込む盛大な拍手。
こうして午後1時ごろ、第10回SOPPは終了した。

14_12

SOPP――来年の展望

10回という節目を迎えたSOPP。西園寺会長は、当日参加者に配布されたパンフレットの挨拶の中で、次のように述べている。

「SOPPは来年、新たな段階に入ります。固定観念や想像を遥かに超えた、新たな時代にふさわしい個人憲章を打ち立ててゆくのが2015年です。これは皆様の祈りのエネルギーによって作り上げられた土台があればこそ、成し遂げられることであります。
2015 年は、フジ・デクラレーションという「宣言」が披露されることになっております。一人一人が神性意識を持った上で、どのような世界を築き上げてゆくのか ――政治面、科学面、経済面、芸術面、教育面……において、神性に根ざした社会システムがどのように築き上げられてゆくのかを、世界各国・各界の指導者で 話し合い、その成果を2015年SOPPにおいて発表する予定です。
皆様一人一人の祈りが、政治や科学、経済、あらゆる分野に浸透し、形となって現われるのであります。それは人類にとって輝かしい指針となることでしょう。
神性に根ざした新しい世界で、人類は自らに内在する神性の共鳴を感じることでしょう。そのスタートラインに立つのが来年であり、そのための土台を完成させるのが本年のSOPPなのであります」。

今までとは全く違う、新しい社会システムを提案するために、西園寺会長はいま、世界のさまざまな分野の専門家と協力して、新たな信頼の社会の規範とその道すじのリサーチをスタートしている。
神 性を信じるという、深い信頼に満ちた観点から始まる新しい社会システム。このフジ・デクラレーションが発表されるのが2015年であり、その記念祝典の中 心の場となるのが、来年のSOPPである。SOPPとは未来の平和な世界を、一人一人の希望のビジョンによって描き出し、実現へと導いてゆく場である。
そして私たちはもともと一つであるということ、それを感じられる場があれば、その真実は私たちの内側から湧き上がってきて、優しさや神性が自然に溢れてくるのだということを体感できる場でもある。

来年のSOPPへのご参加をお待ちしております。

過去のSOPP開催報告

行事案内

TOP