SOPP2008

 

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2008年5月18日(日)、「SymphonyofPeacePrayers(SOPP)〜世界平和交響曲」が、晴れやかに開催された。このセレモニーは、『宗教・宗派を超えて共に世界の平和を祈る』というテーマのもと、2005年から毎年1回、富士聖地にて行なわれており、今年はその4回目にあたる。例年のプログラムに加えて、今年はさらに特筆すべきプログラムが。音楽家のクリストファー・カレル氏による「宇宙からの音楽」の即興演奏である。誰もがまだ聴いたことのない、その場の空気が表現される音楽—この新しい試みにより、いつもはのどかな野外会場が、この日は「音楽と祈り」の旋律が壮大かつ創造的にひびき合う芸術的な空間へと様変わりした。

第一部のスタート

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午前10時、セレモニーが幕を開けた。8000人以上が集結した野外会場のステージに最初に登場したのは、納谷理事長である。その感謝に満ちあふれた明朗な開会挨拶に続いて、西園寺昌美会長の挨拶が行なわれる。これから始まる祈りの数々が、一期一会の体験となることを感じさせる、期待に満ちたメッセージが会場全体にひびき渡る。


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続いて白光真宏会のメンバーが「呼吸法による人類即神也の印」を披露。宇宙のサウンドとも呼ばれるこの呼吸のリズムは、心の深い部分で繰り返し寄せては返し、一人一人の内なる凪をつくり出してゆく。

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その静けさの後、行なわれたのが、クリストファー・カレル氏による即興演奏である。見た目はギターに似た一つの楽器で、宇宙を感じさせる無限大の音が広がってゆく。太初の記憶の奥底にまで響くようなこの曲は、「会場の人々と共に創り上げてゆく音楽」であるという。会場に濃密な一体感が生まれる。



メインテーマである「各宗教・宗派の祈り」に移った。今年は各宗教・宗派の代表者の皆様がスピーチをしてくださったが、いずれも平和に対するお気持ちの強さがひしひしと伝わってきて、これから祈ることになっている各宗教の祈りの意義が際立つものばかりであった。

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ユダヤ教、仏教–曹洞宗、キリスト教、タイ仏教、イスラーム教スーフィズム、神道……大自然の中、発祥地の空気をまとった祈りに、人々は全身ごと包まれてゆく。何もないはずの透明な空間に、祈りの音階が満ち満ちてゆく。参加者は各宗教の祈り言葉に深い敬意を表しながら、手元のブックレットを見て、祈り言を唱えつづけた。


第2部ー国旗の芸術

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各宗教・宗派の祈りの後、30分の休憩を挟んでスタートした第2部。その幕開けを飾ったのは、来賓の方々を代表して4組のご来賓が行なったご挨拶であった。この一つ一つのお言葉も印象的で、それぞれの立場にあっても志が全く一つであることを、魂の深いレベルで認識することが出来た。



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ここから、参加者は再びブックレットを開いて、祈りを連続的に行なった。まずは「グローバルの祈り」。これは、私たちの住む環境の諸問題に対して祈りを捧げるというもので、宗教に関心のない方にとってもごく身近な、リアルな事柄への祈りだ。“対立なき世界のための祈り”と“人類と自然との調和のための祈り”を行なったが、参加者は、地球の鼓動をすぐ側に感じながら、日本語と英語で懸命に祈り言葉を唱えた。

ジーンとした祈りの余韻の中、大陸的な音楽が徐々に人々のボルテージを上げてゆく。

 

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ふと会場後方を見ると、193名の旗手が一国一国の旗を掲げながら、人々の間を行進しはじめた。こんなにもたくさんの、そしてカラフルなデザインの旗。地球は数多の個性と歴史によって包み込まれているのである。それぞれの物語を持つ国旗が舞台に集まってゆく様子は、遠くから押し寄せる川の流れが雄大な大海へと注ぎ込まれ、一つのエネルギッシュな潮流を生みなしてゆくかのよう。「世界は一つ」という感覚が強く呼び覚まされる。

 

 

そして、世界各国語による世界各国の平和の祈りがスタート。舞台上ではボイスリーダーに合わせ、一国一国、国旗が掲げられる。新しい力を得たように悠然とかざされる国旗を一心に見つめながら、参加者はそれぞれの国の言語で祈りを捧げていった。各国の言語の奥に固有のルーツ、源泉のひびきを感じながら……。

濃密な海面のようなきらめきをたたえた空間。その中で、「音楽演奏を通してのグローバル・ピース・メディテーション」が行なわれた。音楽の中、瞑想を捧げることで、一人一人は自分の祈りが宇宙大に広がっていること、そして自分という存在もまた、無限大に広がっていけることを体感。ワンネスという言葉が相応しいひと時—参加者は細胞の水にまで波紋が広がるような“宇宙と共鳴する音楽”を楽しんだ。


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そして西園寺由佳会長代理よりスピーチがあった。“本行事の参加者一人一人の心の中で、この深い祈りが響きつづけることを願っています”すべての存在価値を包み込むような声の響きに、会場全体が聞き入っていた。その後、花が散りばめられたような軽快な音楽の中、再び聖壇前に国旗が入場。193本が一堂に会する。そして、ゆっくりと振りかざされた後、天に向かって高く掲揚された。各国のストーリーが、そして祈る個々人のストーリーが青空に放たれてゆく。会場を包み込む一体感と感動—こうして第四回SOPPは、成功裡に終了したのである。

第1部

  • オープニング
  • 開会の挨拶
  • 「呼吸法による人類即神也の印」の披露
  • クリストファー・カレル氏による音楽演奏
  • 各宗教・宗派の祈り
    ユダヤ教
    仏教−曹洞宗
    キリスト教
    タイ仏教
    イスラーム教 スーフィズム
    神道

第2部

  • 来賓挨拶
  • 「世界各国の国旗」入場
  • 世界各国語による世界各国の平和の祈り
  • グローバルピース・メディテーション
  • 閉会の挨拶とフィナーレ


過去のSOPP開催報告