SOPP2010

 

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風の薫る5月。陽光に照らされて咲き誇る花々や、一斉に両手を振るようにそよぐ若葉の群れ、その合間をリズミカルに舞うチョウチョや虫たち……。この季節は、1年のうちでもとりわけ風景が彩りに溢れる、最良の行楽シーズンである。
そんな5月16日(日)、富士聖地にも6500名余の人が集まった。ここ富士聖地は、富士山麓の高原にある牧草地で、周辺には濃い霧の立ちこめる森が、背景には壮大な山並みが広がるというロケーション。その牧草地の一角に、世界192ヵ国の大国旗に囲まれた“祈りのフィールド”が存在する。人々はそのフィールドを目指して、全国各地、あるいは海外から飛行機に乗り、車に乗り、電車を乗り継ぎ……さまざまな方法で集まってきていた。取り立てて見所があるとは言えないこの地に、老若男女すべての人々、数多の国籍の人々が集まっているのは、少し不思議な気さえする。



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彼らは第6回目となる「SymphonyofPeacePrayers(SOPP)〜世界平和交響曲」に参加するために、遠い道のりを経てこの地に来たのだ。世界中の宗教の祈りや世界各国の平和の祈りを、ただただ共に祈るために。
今回も例年と同様、野外会場(祈りのフィールド)でセレモニーが行なわれたが、昨年の大雨・強風とは打って変わって今年は好天に恵まれ、太陽と大地の温もりを感じながらの行事となった。


午前10時。快晴の空のもと、野外会場に司会の挨拶が響き渡る。会場の参加者が、そして世界中で意識を合わせて祈っている数多の方々が待ちに待った、セレモニーの幕開けである。
聖壇上には水色を基調とした舞台が設置されている。そこへ最初に登場した納谷智彦理事長が、この行事の開催趣旨を説明した。続いて、西園寺昌美会長の開会挨拶が行なわれ、祈りに対する意識を高め上げた。
そしてここからは、祈りのプログラムがスタート。最初は「呼吸法による人類即神也の印」のデモンストレーションである。白光真宏会のメンバーが、聖壇下の段に静かに入場し、一斉に印を組む。呼吸は一定のリズムで繰り返され、揺れる振り子が一瞬だけ空中で静止するように、吸う息、吐く息もほんの一瞬途絶えるが、その時、会場の静けさがより深まっているのを実感する。

静謐に満たされた会場で、このセレモニーのメインテーマである「各宗教・宗派の祈り」が始まった。
さまざまな祈りの衣装に身を包んだ宗教代表者・9組が登場されると、場の空気は一層神聖なものに。神様、仏様のご尊名はそれぞれ異なるが、それぞれの神様、仏様の前に出る際のお姿で一堂に会された方々と、その姿を見つめる参加者の表情は澄んでいる。厳かだが優しい気配が会場全体を包み込み、各々の集中力もますます高まっていく。
最初に舞台の中央に進み出られたのは、イスラーム教のバッドシャヒ・モスクのグランド・イマーム、モラナ・アブドゥル・カビア・アザド氏で、参加者にメッセージを述べられた後、尊い平和の祈りを先導してくださった。続いてキリスト教ドミニコ会のジェームズ・チャナン神父が同様に祈りを先導される。その後、神道の天河大辨財天社宮司、柿坂神酒之祐氏が、仏教律宗の壬生寺貫主、松浦俊海氏が、ヒンズー教のピュア・ライフ・ソサエティ理事長、マザー・マンガラン氏が、ユダヤ教のラバイ、テッド・ファルコン博士が、キリスト教の牧師、ドン・マッケンジー氏が、イスラーム教スーフィズムのインターフェイス・コミュニティ教会のジャマール・ラハマン氏が、最後に白光真宏会会長、西園寺昌美氏が、同様に祈りを先導。


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宗教代表者の祈りが終わると、インドの精神的・霊的指導者、マイトレイ・アンマ氏が、来賓挨拶を行なわれた。アンマ氏はその締めくくりに、会場の参加者とともに「オーム」と7回、唱えられた。途切れなく、個性豊かに繰り広げられる祈りは、天界の即興音楽を織りなしているかのよう。祈りの声はどこまでも遠く、自分が知覚していた領域を超えて、はるか宇宙の遠くまで広がっていくような感覚すら呼び起こされる。壮大な青空のもと、約6500名の参加者たちは、まるで美しい音律を謳うように、さまざまな宗教・宗派の祈りを斉唱した。

 

プログラム

  • オープニング
  • 開会の挨拶
  • 「呼吸法による人類即神也の印」の披露
  • 各宗教・宗派の祈り
    イスラーム教
    キリスト教 ドミニコ会
    神道
    仏教—律宗
    ヒンズー教
    ユダヤ教
    キリスト教
    イスラーム教 スーフィズム
  • ご来賓挨拶
  • ご来賓紹介
  • 世界各国語による世界各国の平和の祈り
  • 宇宙のサウンドと演奏によるグローバル・ピース・メディテーション
  • ユース紹介
  • 閉会の挨拶
  • フィナーレ


過去のSOPP開催報告