SOPP2009

 

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2009年5月17日(日)、富士聖地にて、第5回「SymphonyofPeacePrayers(SOPP)〜世界平和交響曲」が開催された。このセレモニーは、『宗教・宗派を超えて、共に世界の平和を祈る』というテーマのもと、2005年から毎年1回、富士聖地にて行なわれており、今年はその5回目にあたる。
この日、富士聖地のセレモニーに参加されたのは、約6,500人。セレモニー前の野外会場を見渡すと、年齢やバックグラウンドの異なる方々が、濡れた芝生の上に座っている。
見た目も雰囲気も異なる彼らは、「平和のために自らのエネルギーを捧げたい」という一つの意識でつながっていた。その事実を、これからセレモニーを通して目の当たりにすることになる。

雨の野外会場

色とりどりの万国旗に囲まれた牧草地・野外会場は、かつてないほどの大雨に濡れそぼっていた。来場する参加者は、雨具をしっかり着込み、会場へと続く坂道を一歩一歩、踏みしめるように歩いている。
開演時刻が近づくほどに、雲はいよいよ厚くなり、雨脚も強くなる。だが、参加者は徐々に野外会場を埋めてゆき、セレモニーが開始を告げる頃には、色とりどりの雨具をまとった多勢の参加者たちが、芝生の上に整然と、毅然と座っていた。

 


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第1部の始まり

午前10時、セレモニーが幕を開けた。6500人が注目するのは、聖壇上に設けられた舞台である。あらゆる角度から見やすいよう、奥行きにも工夫がされており、人々はそれぞれ好きな場所から、セレモニーに参加することが出来る。
開会宣言の後、本会の納谷理事長が開会挨拶を、続いて西園寺昌美会長が挨拶を行なった。
そして祈りのプログラムがスタート。最初は「呼吸法による人類即神也の印」のデモンストレーションである。サウンドとも呼ばれるこの呼吸のリズムは、心の深い部分で寄せては返し、雨の会場を静けさで満たしていった。



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各宗教・宗派の祈り

そして、いよいよこのセレモニーのメインテーマである「各宗教・宗派の祈り」が始まった。
祈りの衣装に身を包んだ宗教代表者・4組が舞台に上がられると、その美しさと偉容に会場から感嘆が漏れる。
今回は、イスラーム教スーフィズム、神道、ユダヤ教、仏教の方々が、それぞれの祈りを先導してくださった。参加者はブックレットを目で辿りながら、心を一つに、それらの祈りを祈ってゆく。多様な祈りがあるが、すべては“平和への祈り”というシンプルな一点でつながっている—その事実を、参加者は肌で実感した。すべての違いを超えた先にある宇宙を、この時一人一人は心ゆくまで味わったのだった。
深い余韻が辺りを包みこむと、司会が来賓紹介を行ない、その中のお二方がスピーチをされた。日頃より祈りの力を実感されているお二方のスピーチは、祈りの深い部分まで、参加者の意識をナビゲートしてくださる印象的なものだった。


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第2部—生命をつなぐ祈り

休憩を挟んでスタートした第2部。雨は依然として降り止まず、むしろ強くなったとさえ感じられるが、会場の参加者に動揺の様子はない。
ここから多種多様な祈りが再スタートしたが、その前に、今年のSOPPは「宇宙—地球—人類—生きとし生けるものすべての生命を一つにつなぐ祈り」をサブテーマに掲げていることが司会により示され、「すべてはつながっている」という真理を光のエネルギー(科学)の側面から語った原子物理学者のメッセージが読み上げられた。
続いて、世界各国の国旗入場である。雨と霧でけぶる先に、色とりどりの国旗が並んでいるのが見える。その国旗を凛と掲げた旗手は、参加者の間を通り、舞台と向かっていった。

その時、誰も予想していなかったホットな出来事が。祈りのリーダーとしてご登壇くださっていた方の一人が、傘を旗に見立てて、旗手たちの最後尾に付き、行進に加わられたのである!これには会場の人々も歓声を上げ、その方が手を振りながら来賓席に戻られるまで、おしみない拍手で見送っていた。

 

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そして「世界各国語による世界各国の平和の祈り」がスタート。舞台の左右の袖から国旗が現われ、ボイスリーダーの声に合わせて掲揚されてゆく。会場の参加者は、国旗に光のエールを送るように、それぞれの国の言語で祈りを捧げていった。

 

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美しい旗の波が引いた舞台—そこにお一人で登場したのは、昨年のSOPPにもご出演くださった演奏家、クリストファー・カレル氏である。

 

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そのカレル氏の音楽に乗り、地球を愛と調和と癒しのひびきで包み込む平和の瞑想「グローバル・ピース・メディテーション」が始まった。
カレル氏が手にしているのは一見ギターのような、弦のない近未来的な楽器。その演奏により、この場が宇宙、そしてあらゆる生命と一つにつながり、広がりつづけていることを再認識できた。

美しい余韻の中、今年のサブテーマを象徴する「すべての生命を一つにつなぐ祈り」が行なわれた。会場の参加者は、その言葉をじっくり噛み含めるように唱えながら、調和のビジョンを共有し、その現実化に向けて祈った。

そして西園寺由佳会長代理の閉会挨拶の後、セレモニーはついに最後のクライマックスを迎える。軽快な音楽が流れ、再び舞台に国旗が入場。193本が会場内の各通路と舞台下に並んだ。その直後、宇宙の進化創造の様子を描いた大きなスクリーンが現われ、そのスクリーンと同じ絵が描かれた「ユニバーサルフラッグ」を、凛と掲げた旗手が舞台に現われた。
ユニバーサルフラッグと国旗は天高く掲げられ、雨音をかき消すような、割れんばかりの拍手が会場から起こる。確かな一体感が辺りを包み込み、それは暫くの間、消えることはなかった。
こうして、すべての生命はつながっていて、祈りはすべての存在に届くということを感じさせる第5回SOPPは、幕を閉じたのである。



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プログラム

 第1部

  • オープニング
  • 開会の挨拶
  • 「呼吸法による人類即神也の印」の披露
  • 各宗教・宗派の祈り
    イスラーム教 スーフィズム
    神道
    ユダヤ教
    仏教−曹洞宗
  • ご来賓紹介
  • ご来賓挨拶披露

第2部

  • 「世界各国の国旗」入場
  • 世界各国語による世界各国の平和の祈り
  • 宇宙のサウンドと演奏によるグローバル・ピース・メディテーション
  • すべての生命を一つにつなぐ祈り
  • 閉会の挨拶
  • フィナーレ


過去のSOPP開催報告